そういえば、前にあるおばあちゃんに会ったんです。
『長生きなんてしたくない』って、ハッキリ言ってた人です。
でも、その人がこんなことを話してくれたんです。
「そのおばあちゃんは、70代の頃にご主人を亡くされて、
そのあと一人で生きていくことにすごく疲れてたそうです。
『もういいかなって思ってたのよ。でもね、ある時ふと、孫から手紙が届いたの』って。」
「その手紙にはこう書いてあったそうです。
『ばあば、いつまでも元気でいてね。ばあばが笑うと、僕も元気になるよ。
今度一緒にピアノ弾こうね。』
それを読んで、涙が止まらなかったって言ってました。」
「そこからそのおばあちゃん、生活をちょっとずつ変えたんですって。
ラジオ体操を始めたり、週に一度は友達と喫茶店に行ったりして。
『長生きはしたくなかったけど、今は“元気でいられるうちは悪くない”って思えるようになった』って。
それを言う時の表情が、すごく柔らかくてね。」
「“長生きしたくない”っていう気持ちも、すごくわかるけど…
もしかしたら、“どんなふうに生きるか”が変われば、
“もう少し生きててもいいかな”って思える瞬間も来るのかもしれませんね。」
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