「この前、前に進もうとしてるときに、横からガッと遮られて…正直ムカッとしたんです。
『なんで今!?』『こっちはちゃんと準備してたのに!』って思って、心がザワザワした。
でも、そんな自分を少し落ち着かせてくれた話があるんです。」
「昔、ある有名な茶人がいて、その人は“静けさの中に強さがある”とよく言っていたそうです。
ある日、茶会の準備中に、突然来客が割り込んできて、準備を全部めちゃくちゃにしてしまった。
周りの人たちは怒って、『すぐ追い出しましょう!』と騒ぎました。」
「その時、茶人はこう言ったんです。
『風が吹いたからといって、木は怒らぬ。ただ、根を深く張るだけ。
遮られて動けぬ時こそ、心を整える時なのだ。
茶は、静けさを乱さず点てるもの。騒ぎに巻き込まれては、美しい味は出ぬ』って。」
「その言葉を聞いた人たちは、ハッと気づいたんだそうです。
“怒り”という感情に乗っ取られると、本来の目的を忘れてしまう。
でも、“遮られても自分の中心に戻れる人”は、最後にちゃんと進むんです。」
「…あのときの私も、風に煽られてたんだなって思いました。
“遮られたときほど、自分の静けさを保てるか”
それが、たぶん、本当に前に進める人なんだなって。」
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