「そばにいる人が、毎回“これヤバくない!?”“最悪だよね”って、
声を大きくして大騒ぎする。私は静かに考えたいのに、その波に飲まれそうになる。
それがなんとなくつらい。
でも、ふと思い出した話がある。」
「昔、嵐の多い海を行き来していた船乗りがいた。
彼の乗る小舟は、よく激しい風や波にさらされた。
でも彼だけは、いつも冷静で、決して慌てなかった。
ある日、見習いが彼に尋ねた。
『どうしてそんなに落ち着いていられるんですか? こっちは波に飲まれそうで怖いのに…』」
『海は荒れる。波は風で動く。
でもな、自分の舵(かじ)を握ってるのは自分だけなんだ。
周りが荒れてるときほど、“自分の手と目”を信じるんだよ。
誰かが叫んでも、波が高くても、自分の中に静かな場所がある限り、ちゃんと進める。
その静けさが、いちばんの道しるべなんだ。』
「その言葉を聞いた見習いは、少しずつ“自分の舵”を意識するようになった。
誰かが大きな声を出しても、海がどれだけ荒れても、
『まず深呼吸して、帆を整えろ』と、心に言い聞かせて進んだそうだ。」
「…あの人がどれだけ騒いでも、私の舵は私が握ってる。
不安は伝染するけど、落ち着きもまた、伝染する。
私の静けさが、まわりにも広がっていったらいいなって思う。」
一言お守りフレーズ:
「私の舵は、私が握る。」
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